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【そんな馬鹿な】郷里大輔さん自殺【夢だと言ってくれ】 [アニメ]

 昨日、仕事中に友人から一通のメールが届いた。サブジェクトは「訃報」となっており、何事かと思って見てみれば、そこには郷里大輔さんが亡くなられたと記されていた。
 たった数日前、偉大な声優、田の中勇さんが亡くなられたと記事にした矢先に、またしても素晴らしい声優の訃報を記事にすることになるとは、なんたることだろう。

 ニュースを読む限り、遺書が残されていることから自殺との見方が強いそうだ。あれほどの声、あれほどの演技力を持った方が、命を儚むほどに追い詰められていたとは残念でならない。

 郷里大輔さんといえば、主に「大男」といった役をやることが多く、アニメファンであるならば、やはり聞いたことがない方が珍しいほどの声優さんだ。
 キン肉マンでのロビンマスク(初代のみ。王位争奪編は違う)といった役でも有名で、ドラゴンボールZでも牛魔王やサタン等、カッコいい役、三枚目、怖い役、色々とこなせる方だった。
 近年はナレーションの仕事も多く、何かとその素晴らしいお声を聞かせていただいたものだ。声そのものが素晴らしいだけでなく、演技力も卓越した「本物」の声優さんだったと思う。

 今や、ろくな演技力はないが顔だけはいいアイドル声優が、出てきては消えていく「使い捨て商売」の真っ只中。こうした実力派の声優が育ちにくい環境でもあり、もう郷里大輔さんの「代わり」が出来る人はそうそう現れないだろう。簡単に代えの効くレベルではない。

 演技や、それを含めた芸事というものは、芸であるが故に感性が物を言う世界である。そして、その感性を活かす技術をもって芸となすもので、こうすればいいというものではない。
 声優に至っては、ただ演技力があるだけではダメだ。声の質は天性のものであり、先天性、感性、技術、それらが融合して初めて声優たらしめる。

 声優、いや俳優もだが、演技というものは簡単なものではない。一言で感性といっても、その及ぶ先は様々で、表現力、空想力、読解力と挙げだしたらキリがない。
 その中でトップにいることが、どれだけ大きな意味であるかは想像に難くないだろう。本当に代えなんて効かない、掛け替えのないと言える至宝なのだ。

 そうした至宝が砕け散る様は、なんと寂しいものだろうか。その貴重さ故に、簡単に得ることが出来ない。だから、手に入りやすい「紛い物」と斬り捨てたくなるような量産商品が並ぶ近年、より価値は増していたくらいである。
 今、本当に「キャラクターに魂を込められる声優」はほんの一握りしかいない。そのほとんどがアイドル化による「商品」として扱われる以前の、隆盛期の声優さんばかりだ。

 いつか、滅び行く伝統工芸といったように、素晴らしい演技力を持った声優さん達も消えていくことだろう。商売ばかりに目が行って、後進が育ちにくい環境なのだ。
 人は永遠ではないのだから、どれだけ惜しんでも、亡くなっていくのを防ぐことなど出来はしない。しかし、次第に衰えていく患者を見るようで、本当に寂しい限りである。

 郷里大輔さんは、本当に素晴らしい声優だった。数少ない「魂を吹き込める」ことの出来る声優さんであり、恐ろしげな声も、お茶目な声も、幅広く、そして奥深く心に響いている。
 これほどの声優さんが、自ら終止符を打つほどに絶望したことは、本当に残念でならない。タレントや俳優がそうであるように、声優も皆に「夢を与える」職業である。
 それ故に重圧も大きく、苦悩することも多いだろう。それでも、夢を与えつづける偉人であって欲しかった。何が生きることに絶望するほどの原因となったかは存じ上げないが、もっと郷里大輔さんの演技を見ていたかったというのは、偽らざる本音である。
 それが、ボクの事情でしかないのは重々承知している。人には人の事情があることだろう。しかし、それほど魅力に溢れた声優であったと、ボクには思えてならない。

 また月並みではあるが、郷里大輔さんのご冥福を祈るばかりである。

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